【3分解説】鳥居があるのは神社だけ?お寺にも鳥居はある?

こんにちは、ヒロコです。今日は「鳥居は神社にしかないもの?」という、よくある疑問についてお話しします。

以前、ある読者の方から「お寺に行ったときに鳥居を見かけたんですけど…神社じゃないの?」というご質問をいただきました。確かに、鳥居といえば神社の象徴というイメージがありますよね。でも実は、歴史や信仰の背景をたどると、鳥居は意外と奥が深い存在なんです。

今日は、そんな鳥居の秘密を3分でサクッと解説します。

鳥居とは何か?基本のおさらい

まずは、鳥居とは何かを簡単におさらいしましょう。

鳥居は、神社の入り口に建てられている門のような構造物で、神域と俗世(現世)を分ける「結界」の役割を持っています。くぐることで、神聖な空間に入るという意味合いがあるんですね。

形もさまざまで、「明神(みょうじん)鳥居」「神明(しんめい)鳥居」などの種類がありますが、共通して言えるのは「神様の場所への入り口」だということ。

つまり、基本的には神社にあるもの…なのですが、実はお寺にも鳥居があることがあるのです。

お寺に鳥居があるのはなぜ?

一見すると矛盾しているようですが、日本の宗教文化はそんなに単純ではありません。

神仏習合(しんぶつしゅうごう)の名残

日本では長い間、「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」という考え方がありました。これは、神道と仏教が互いに影響し合い、同じ場所で信仰されていたというもの。

たとえば、神社の境内にお寺があったり、お寺に神社が併設されていたりした時代もありました。そのため、かつてはお寺の敷地内に神様を祀る「鎮守社(ちんじゅしゃ)」があり、そこに鳥居が建てられていたんです。

明治時代の神仏分離令によって多くは分離されましたが、今もその名残でお寺の境内に鳥居が残っているケースがあるんですね。

実際に見られる例

実際に、いくつかのお寺では鳥居を見ることができます。

  1. 比叡山延暦寺(滋賀県)
    • 境内に鎮守社「日吉大社」との関係が深く、神仏習合の象徴ともいえる存在です。
    • 鳥居も存在し、訪れた人を驚かせます。
  2. 長谷寺(奈良県)
    • 境内に「天満宮」があり、その入り口には鳥居が建っています。
    • 学問の神様である菅原道真公を祀っており、参拝者も多いです。
  3. 四天王寺(大阪府)
    • 聖徳太子創建とされる古刹ですが、境内には神様を祀る社もあり鳥居が見られます。

こうした例は全国に点在していて、「お寺に鳥居があるのはおかしい」ということでは決してないのです。

鳥居を見かけたら、どこにお参りすればいいの?

ここでよくある疑問が、「お寺に鳥居があったら、どこにお参りすればいいの?」ということ。

結論から言えば、その鳥居の先にあるのが「神様」なのか「仏様」なのかで参拝方法が変わります。

  1. 鳥居の先に小さな社殿や神殿があれば → 神社のように参拝(軽く一礼、二礼二拍手一礼)
  2. 本堂など仏教的な建物に続いていれば → お寺の作法で参拝(合掌、一礼)

最近では境内に案内板が設置されていることも多いので、それを見て判断すると安心です。

まとめ:鳥居=神社とは限らない

鳥居というと神社の象徴のように思われがちですが、歴史的に見るとお寺にも存在していたし、今でもその名残が残っている場所があるんです。

現代の私たちから見るとちょっと不思議な風景かもしれませんが、それもまた日本の宗教文化の豊かさだと思います。私自身、修行中に神仏習合の名残が残るお寺で過ごしたことがあり、その時は鳥居のある風景がごく自然に感じられました。

今後、お寺を訪れたときに鳥居を見かけたら、「あ、これが神仏習合の名残なんだな」と、ちょっと立ち止まってみてくださいね。新たな発見があるかもしれません。

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